TIPS

⑪連携プレーでパートナーがやっていない作業を、速やかにやる。

2016年3月3日

Q.あなたにとって仕事と子育ての両立とは何ですか?

人生において何を大切にするか?という価値観が強く問われる局面だと思います。身を投じる活動ぜんぶをフルパワーで走り切れたら理想ですが、なかなかそうもいきません。特に私は疲れやすい体質で、齢30にして階段を2Fぶん登るだけで息が切れます。業務の合間にこの原稿を書くのでさえヒーヒー言ってしまう始末です。ですから、人生イロイロある中でまず何を一番大切にしたいか、優先順位を付ける必要が出てきます。

今の私にとって最も大切なのは「子どもとの時間」です。仕事で遅くなる時もありますが「残業は異常事態」と毎日思うようにしています。17時半を過ぎると、ココロの赤いランプがピーポー鳴ります。鳴ったまま数時間経つこともあるんですけどね……。でも、優先順位がハッキリしていると「この案件を今日処理できたらベスト…でも明日に回しても大きな問題はならない……はてさて……」という”グレー”な場面で、「明日にする。帰る。」と迷わず選択できます。その結果として、子どもとの時間が1分でも多く生まれます。

でも、その考え方は人それぞれであってよいはずです。仕事を一番大切にして、子どもにその背中を見せたいという姿勢もカッコイイですし、「両方にあえて優先順位を付けず、長い目で見て均等に注力する」というヤジロベー的な考え方もユニークだと思います。そこに正解はないから、まさに価値観の問題。その価値観について強く問われる局面こそが、仕事と子育ての両立を迎えるときだと思っています。

どの価値観を選んでも共通なのは、仕事と子育てが「時間を奪い合うもの」であるのと同時に、「相互に良い影響を与え合うもの」だということです。そこに趣味が入り込んで、仕事・子育て・趣味の3つが「時間を奪い合う/相互に好影響を与えるもの」だと考えることができます。私にとって、この3つをグルグルと回しながら「生きていて面白いな」という実感を得ることが、両立の先にあるゴールです。

Q.実践している『HACKTION』は何ですか?

なかなかできていませんが、心がけているのは【作業工程を明らかにして、パートナーがやっていないことを速やかにやる】ということです。

子育てをしていると、いろんな作業が発生しますよね。ミルクをあげる、オムツを変える、一緒に遊ぶ、片付ける、写真を撮る、予定を調整する。何をどこまできちんとやるかは夫婦の取り決め次第ですが、結局はそれらの『諸作業をどうやってチームで乗り越えるか?の連続』が子育てだと捉えています。その繰り返しの中で、なるべく効率化して親の負荷を低くして初めて、「可愛いな」「楽しいな」と思える心の余裕が生まれるのだと思います。

例えば、オムツを替えるという作業が発生した時に、次のような作業プロセスを想定します。

「異常事態を発見!→未使用のオムツとおしりふきを準備→子どもにオムツ替えを予告し、横たわってもらう→ズボンを脱がせる→子どもの使用済みオムツを回収する→おしりふきで拭く→未使用のオムツを履かせる→ズボンを履かせる→使用済みのおしりふきとオムツを廃棄→やっと正常な状態にカムバック」。(※一例です)

まずは、子育てに参画する人間として、オムツ替えには上のような作業プロセスがあることを理解するところから始まります。私の場合、産後にまとまった休みを取ったときに奥さんに質問しながら理解をしました。

上記の場合、オムツ替え以外の作業が発生していれば、オムツ替えは自分、その他は奥さんという分担が考えられますね。これは【作業間分担】です。それ以外の作業が発生していない場合は、今回は奥さんにまかせて次回は自分が、という分担もありえます。これは【回数/機会分担】でしょうか。また、2人で1つの作業プロセスを分担するという選択肢も考えられます。これは【作業内分担】ですね。

例えば作業プロセスを分担する【作業内分担】の場合、「奥さんが子どものところへ向かっている間に新品オムツとおしりふきを取る」「奥さんがズボンを履かせてくれている間に使用済みオムツとおしりふきを廃棄する」というような関わり方が考えられます。(もちろん奥さんと自分の役割を逆にしても構いません)

もちろん、オムツはあくまでも例です。さすがに日々ここまでテキパキすべきだとは思っていません。オムツ替えで2人が黙々と作業プロセスを仕分けて動いていたらさすがにちょっとコワイですよね。ただ、【2人が作業の全体像を理解し、作業工程のうち相手がやっていないことをやる】ということを意識していれば、互いの負荷が下がり、気持ちに余裕が生まれやすくなるのではないか?というのが基本的な考え方です。まだまだ修行中の身ですが、なるべく実践できるように努めて、家庭を楽しいチームにしたいと思っています。